ISO14001:2004の認証・登録に向けて、ほとんどの組織では、トップメネジメントによるキックオフ宣言を行っています。キックオフ宣言自体は、ISO14001:2004の規格要求事項ではありませんが、マネジメント全体として考えた場合、組織の方向性を明確に位置づけるという点において、その意義は大きいといえます。キックオフ宣言は、組織外に向けても発信されますが、まずは、全組織構成員にISO14001:2004の認証・登録の重要性を周知することが必要です。そのために開かれるのがキックオフミーティングなどの会議体です。
通常、キックオフミーティングでは、トップマネジメントから、@認証・登録の目的、A認証・登録のメリット、B認証・登録の範囲(サイト、組織、製品、サービスなど)、C認証・登録予定時期、D推進体制、などについての説明がなされます。組織構成員の参加意識の高揚のために、ポスターや垂幕・幟を作成したりワッペンや名刺へのキックオフの明記などの演出がなされることもあります。キックオフミーティングの企画・運営をどのようにするかは、組織によって当然異なるでしょうし、これが正解、というものはないでしょう。キックオフミーティングの目的は、トップマネジメントの本気度を伝えることにありますから、そこさえ間違えなければよいと思います。ただし、せっかくの機会ですし、それなりのコストもかけるのですから、より効果的な企画・運営を考えてみてはいかがでしょうか?
その例として、たとえばある程度の規模の組織であれば、講演やシンポジウムなどをプログラムの一部として取り入れることなどがあげられます。まず、最近の環境をめぐる諸問題や法政策について、なるべく組織の業務に視点をあわせながら、専門家に講演してもらいます。講演の依頼先は、環境法学者、弁護士、コンサルタントなどがよいでしょう。次に、キックオフ宣言に盛り込まれた内容を実現していくためには何が必要か、あるいは組織の環境方針として何を掲げるべきか、などをテーマとしたシンポジウムを行います。コメンテェイターには、地元の自治体関係者、地域住民の代表、取引先、組織構成員の代表、そしてトップマネジメントを、コーディネーターにはコンサルタントなどの専門家を配します。このシンポジウムではステークホルダーから何を期待(心配)されているのか、それを実現(回避)するためにはどのようなマネジメントが必要なのか、が明らかになれば成功といえるでしょう。そして、シンポジウムの内容を、著しい環境側面の特定・環境目的・環境目標、そして環境方針の作成に反映させることにより、構築される環境マネジメントシステムの血肉となるのです。
構成員の少ない組織では、ここまで大掛かりなものでなくてもよいでしょう。例えば、地元の自治体関係者、地域住民の代表、取引先、などを招いて意見交換を行うことが考えられます。ここでも、参加者から何を期待(心配)されているのか、それを実現(回避)するためにはどのようなマネジメントが必要なのか、が明らかになればよいと思います。また、この機会に自治体や地域住民とのコミュニケーションをとることにより、事業活動を理解してもらうための基礎を築くことも可能となり、将来的にはリスクメネジメントとしても機能してくることが期待できます。