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◆取得以前   ◆取得準備の実務   ◆適用範囲・環境方針の実務   ◆計画の実務

◆実施及び運用の実務   ◆点検の実務   ◆マネジメントレビューのポイント
実施及び運用の実務  

   2.教育訓練と組織のモチベーション向上

 前述した通り、ヒトはすべての要素のなかで、最も重要な資源です。また、ヒトは成長可能な資源でもあります。組織に貢献する人財を育成することは、組織が永続的に存在するために不可欠であり、それはトップマネジメントの求められた大切なミッションであるといえるでしょう。
 ISO14001:2004では、「組織によって特定された著しい環境側面の原因となる可能性をもつ作業を組織で実施する又は組織にために実施するすべてに人が、適切な教育、訓練又は経験に基づく力量をもつことを確実にすること(4.4.2 力量、教育訓練及び自覚)」が求められています。
  ここでは、二つの段階にわけて教育訓練のあり方を考える必要があります。第一は、著しい環境側面の原因となる可能性をもつ作業に従事する前段階(新入社員から中堅まで)です。この階層に属する人たちは、将来の組織を担うべき人財です。業務手順や関連知識に関するスキルはまださほど高くありませんが、そのかわり柔軟な思考と態度を有しています。彼らに対しては、基礎的なスキルを習得する機会を提供するととともに、積極的に発言をさせることによりモチベーションをあげることを基本とするとよいでしょう。第二は、実際に著しい環境側面の原因となる可能性をもつ作業を担当する段階(中堅以上)です。この階層はさらに二つの階層にわけられます。管理職などの組織経営にあたる予備軍と、専門的な技術の提供により組織に貢献していく人たちです。そして、後者に属する人たちのモチベーションをどのようにして向上させていくかが、組織発展の鍵を握っているといっても過言ではありません。この階層のプライドを認め、技術の暗黙知を吸い上げていく仕掛けを人事制度に抱合させることが肝要です。

構成員のスキル向上と必要になる施策


(1)スキル習得期の教育訓練 
 労働災害の発生に関するものに、ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)という有名な理論があります。1931年、アメリカの保険会社で働いていたH.W.ハインリッヒが、約50,000件もの労働災害事故を分析した結果、「1件の重大災害が発生する背景に、29件の軽微事故と300件のヒヤリ・ハットがある。またこれらの事故・出来事の88%が不安全な行動により引き起こされ、10%が不安全な環境によって引き起こされている」というものです。
  この法則は、事故が確率現象であること、事故を防ぐにはその前提となっているヒヤリ・ハットから対策を講じる必要があることを示唆しています。つまり、ヒヤリ・ハットの芽を事前に摘むことができれば、重大事故へ繋がる確率は自然と減少していくことになります。

@具体的メニュー例
 特定の技術を完全にマスターしていないこの層は、まさにヒヤリ・ハットの宝庫といえます。スキル習得期の教育訓練の一例として、彼らの体験したヒヤリ・ハットを教材として、その原因の特定・対策について議論し、実践的なスキルの習得を目指すメニューを一つ紹介しましょう。用意するものは、白紙カード(一人10枚程度)、サインペン(人数分)、模造紙(チーム数)です。模造紙は4折にして、左から「ヒヤリ・ハット」「要因」「軽微事故」「重大事故」の4つの欄を作成しておきます。この研修は、下表の手順により実施します。

ヒヤリ・ハット事例の要因分析と対策構築の手順
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