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産業廃棄物の収集・運搬の委託に際し、収集運搬業者A社が積替・保管先であるB社施設まで運搬し、その後、B社の積替・保管場所でB社のトラックに積替えて、B社の中間処分場所へ運搬するということは、再委託となりますか?
再委託でないとした場合、委託契約書はどのような書式にすればよいでしょうか?
上記の委託契約は、区間委託とよばれる委託形式で、@排出事業者とA社、A排出事業者とB社、B排出事業者と中間処理施設、の3本の別々の委託契約が事前に締結されていれば問題はありません。この場合、B社の積替・保管場所に持ち込ものがB社以外のトラックでも構いません。ただし、当然のことながらA社もB社も、委託する産業廃棄物を処理することができる廃棄物処理法上の許可を得ている業者でなければなりません。また、排出事業者との個別契約ではなく、A社とB社の契約による場合は、再委託となり施行令第6条の12の基準を順守する必要があります。 再委託基準違反は、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法第26条)」という罰則規定があります。
◎区分委託契約は、再委託契約ではなく、法的に認められている委託方式
◎ただし、個別に契約をしていないと、再委託と見なされる可能性があるので要注意
内部環境監査を実施したところ、事業系一般廃棄物の処理を委託している業者との事業系一般廃棄物の委託契約書はありましたが、当該業者の業許可証のコピーがありませんでした。この場合、どのように判断すればよいのでしょうか?
一般廃棄物の運搬及び処分の委託は、下記のとおり、一般廃棄物の許可業者(その他、許可を要しない者も存在するが、本件においては関係がないため省略)にしか認められていないため、排出事業者側に、委託先の業者が、委託時点において、委託処理内容についての許可を有する業者であることを確認する必要があります。
ただし、下記にみる産業廃棄物の委託時のように、法律上で契約書への添付の義務は明文化されていません。そのため、一般廃棄物の処理委託契約に関して、産業廃棄物の委託処理と同様に、法律上、契約書への許可証の写しの添付が求められているわけではありません。しかしながら、実務上、契約(あるいは更新)時点での許可内容の確認が必要なため、その確たる証拠として当写しを求め、契約書に添付することは、リスクマネジメント上、より確実な手段と思われます。
◎一般廃棄物の委託契約では、契約書への許可証の写しの添付は法律上求められていない。
◎しかし、リスクマネジメントの観点からは、添付を求めることが望ましい。
委託契約書に記載すべき事項を欠いた場合、排出事業者が委託処理基準違反として、その責めを負うことになっていますが、委託契約書の雛形を作成したのが産廃業者であっても、排出事業者が委託処理基準違反となるのでしょうか?
廃棄物処理法上の規定においては、そもそも、産業廃棄物委託処理基準に従う義務は排出事業者にしか課されておりません(法第12条第4項)。そのため、廃棄物処理法上は、委託契約書の雛形を作成したのが産廃業者であっても、排出事業者自らの責任で同雛形内容を確認し、自らの責任において同契約書を使用することが求められています。
ただし、このことはあくまで廃棄物処理法上の話しであり、民事における(損害賠償等の)責任の所在がいずれにあるか、といった場合は異なることもありえます。
◎廃棄物処理法上の契約は、民法の契約から修正されていることをもう一度思い出そう
◎法定記載事項の漏れは、委託基準違反
◎作成者が誰であれ、その内容で締結していることに廃棄物処理法上の責任がある
収集運搬の委託契約は、排出事業者と収集運搬業者が、処分の委託契約は、排出事業者と中間処理業者が、それぞれ締結しますが、支払いについて収集運搬業者に一括して支払い、収集運搬業者から処理業者へ支払ってもらう契約は、委託処理基準違反となるのでしょうか?
産業廃棄物の委託契約に関する疑問で、一番多く聞かれるのが、『処理料金の支払い方法』に関するものです。
収集運搬業者が中間処理業者を紹介してくれた場合などによくあるもので、この場合、法定事項を記載した個別契約書が締結されていれば、金銭の授受方法については、廃棄物処理法の委託基準には規定がありませんので、法的な問題はありません。
しかし、処理費用が直接支払われないために不法投棄に至るようなケースも多く存在することから、排出事業者としては注意が必要です。中間処理業者に適正な料金が渡っておらず、不法投棄のような事態が生じた場合には、排出事業者が措置命令の対象となる可能性(廃棄物処理法第19条の6)もあります。また、自治体によっては、直接支払いをするよう指導(あくまで指導。法的拘束力はありません)するところも多いのが現状です。すなわち、収集運搬業者と処分業者のそれぞれに直接支払うことが最も望ましいと考えられます。
◎委託契約は、個別契約となっており、かつ、書面で締結しているか
◎処理料金の明示は法定事項
◎中間処理業者に適正な料金が渡っておらず、不法投棄のような事態が生じた場合には、排出事業者が措置命令の対象となる可能性(廃棄物処理法第19条の6)もある
◎管轄自治体の見解を確認しておこう
産業廃棄物を排出し、中間処理を経て最終処分を実施する場合、排出事業者と最終処分業者との間で、委託契約を締結する必要があるのでしょうか?
中間処理業者と契約して処理する場合には、排出事業者と最終処分業者との契約は不要です。ただし、処分(中間処理)委託契約書における最終処分についての記載事項は、委託基準上定めがあり、『処分(中間処理)を委託するときは、その産業廃棄物の最終処分(埋立処分、海洋 投入処分又は再生)の場所の所在地、最終処分の方法及び施設の処理能力』を必ず記載する必要があります。
具体的には、中間処理業者から情報提供を受けることにより、
・中間処理業者と最終処分業者との間での契約書やマニフェスト(二次マニフェスト)の写し
・最終処分に係る許可証の写しやその他の資料
などを確認し、必要に応じて現地確認するなどして、所定の事項を記載することになります。確認した資料等は念のため当該処分(中間処理)委託契約書とともに保管しておくことと、最終処分場の残存容量を随時確認することが望まれます。また、排出事業者の責任は、最終処分の終了まで課せられることに注意が必要です。
なお、中間処理後の焼却灰等は、中間処理産業廃棄物として、中間処理業者が排出事業者となり、最終処分場への収集運搬及び最終処分につき、委託契約を締結し、その流れについてもマニフェスト(いわゆる2次マニフェスト)による管理を実施することになります。従って、もともとの排出事業者と中間処理業者との委託契約における処理費用には、これらの料金を加えたものとなっています。
◎排出事業者の責任は最終処分終了まで
◎委託契約書には、最終処分を行なう場所の記載が不可欠
◎最終処分場についても、現地確認などの情報収集をしておくほうがよい
産業廃棄物の収集・運搬の委託に際し、複数の工場から排出する場合、案件ごとの契約が必要となるのでしょうか?
同一業者との契約であれば1通の契約書で問題ありません。ただし、どこから排出するかは、契約書上又は覚書等によって明確にしておく必要があります。また、排出場所が複数の都道府県に及ぶ場合には、契約する業者が、該当する全ての自治体における許可を有している必要がありますので、その点の確認及び許可書のコピーの添付を忘れないようにしてください。
なお、異なる業者に委託をする場合には、業者ごとの契約が必要となります。また、マニフェストについては、産業廃棄物の種類ごとに交付する必要があることに留意が必要です。
◎1通の契約書で複数の排出場がある場合は、それぞれの排出場の明記が必要
◎排出場の都道府県等が異なる場合には、委託する業者の許可の確認が不可欠
◎排出場の都道府県等が異なる場合には、それぞれの許可証の添付が必要
当社は建設業なので、通常は、建設廃棄物処理委託契約書で契約を結んでいます。建設廃材以外の産業廃棄物について、委託契約を結ぶ場合、産廃業者が作成した契約書で必要内容が全て網羅されていれば、建設廃棄物処理契約書のように市販されている帳票でなくとも、正規な契約書として有効でしょうか?
廃棄物処理法上、産業廃棄物委託契約書の雛形は規定されておりませんので、法定事項がすべて網羅されているものであれば、産廃業者が作成したものでも何ら問題ありません。
◎産業廃棄物処理の委託契約書は、法的に定められた様式は存在しない。
◎ただし、法定記載事項はすべて網羅されている必要がある。
産業廃棄物委託契約書を締結した後、排出者の住所が変更になったり、有限会社ら株式会社に組織変更された場合は、再度契約し直すべきでしょうか?
会社名・代表者・本店所在地などに変更が生じた場合でも、変更前・変更後の会社が同一であることが確認できれば、契約書はそのまま有効ですので、契約をしなおす必要はありません。すなわち、先方に変更があった場合には、変更後の商業登記の提出を求め、契約書に添付しておくとよいと思います。自社に変更があった場合にも、同様に商業登記を取得し、先方に渡すなどしたほうが信義則上、よいでしょう。
有限会社から株式会社への法人格の変更は、実印も変更されていることから、契約のしなおしというよりは、新規契約書を作成しなおしたほうがよいと思います。
なお、いずれにせよ、契約更新時には新たな事項に訂正した契約書を作成しなおしたほうが、無難ではあると思います。
◎会社名・代表者・本店所在地などに変更が生じても、同一会社であれば既存の契約は有効。
